2003年 in 北海道 No.7
2003年7月4日 
赤岳

車の移動  上川町 → 銀泉台 → 上川町    
歩程   銀泉台 → 赤岳 → 小泉岳 → 赤岳 → 銀泉台

この日は天気予報も良く、早出で一番期待の大きい赤岳へ向かう。 赤岳のコマクサ平は幼虫がコマクサを食べるウスバキチョウの産地で有名な場所であり、昨日登った人の話では、登山道の途中も多くの高山植物で綺麗だという話だった。 やはり1時間くらいで登山口の銀泉台に到着。登山口には水場がある。1口飲んで、宿から持ってきた水も入れ替える。冷たくて大変美味しい。


銀泉台(クリックで拡大)
登山口付近からハクサンチドリやヨツバシオガマなどの高山植物が咲いている。
登山口がかなり山の中ということもあるが、標高の高いところに咲くイメージのある花なので、さすがに北海道という感じである。

ヨツバシオガマ
しばらく登って振り返ると遠くの山まで綺麗に見える。後で聞くと阿寒方面 から斜里岳など知床方面の山らしい。

阿寒、知床方面(クリックで拡大)
登山道にはエゾイチゲ、ミツバオウレン、ゴゼンタチバナ、ハクサンイチゲ、ツマトリソウなどが咲いている。早朝でもあまり雫が付いていないので天気の良さが実感できる。
緑岳では見ていない鮮やかな紫色のツツジが咲いていた。エゾツツジだ。まだ、咲き出したばかりのようで、蕾も多い。一面 に咲いたら見事だろう。

エゾツツジ
黄色いホソバイワベンケイは前日も見たが、あまり開いていなかった。この花もこれからが見頃のようだ。

ホソバイワベンケイ
小さくて見逃しそうな花もいくつか咲いている。 マルバクロウスゴやジムカデなどは気が付きにくいし、良く見ないとコケモモやイワヒゲと間違えるかもしれない。
イソツツジも2種類が咲いている。エゾイソツツジとヒメイソツツジだ。多くはエゾイソツツジだが、この写 真のように葉が細いものがヒメイソツツジで、花だけで区別するのは難しいようだ。平山でも浮島湿原でもエゾイソツツジの写 真は多く撮影しているのだが、濡れていてあまり綺麗に撮れていない。

ヒメイソツツジ
キバナシャクナゲも綺麗に咲いている。色が2種類あるが、同じ花が最初は黄色い花で咲き、だんだんとピンクになっていくらしい。どちらも綺麗な色だ。

キバナシャクナゲ
コマクサ平に到着するが、まだ時間も早いのでウスバキチョウは飛んでいない。
一ケ所にキバナシオガマがまとまって咲いていた。緑岳から小泉岳の途中にも咲いてはいたが、1株づつしか咲いていなかったし、もっと小さな株であった。どうしてここだけに密集して咲いているのかは不思議だが、稜線よりも標高が低いのでちょうど見頃のようだ。

キバナシオガマ
コマクサ平では、背景の山と一緒にキバナシオガマとコマクサを撮影してみた。 宿でコマクサの背景に雪渓のある山の写真を見て、同じ場所で撮影しようと考えたのである。
しかし、どうも宿で見た方が構図が良かったように思える。後で確認してみると、撮影している花が違う場所のもので、撮影場所の選択が失敗だったようである。(笑)

コマクサ(クリックで拡大)
しばらくして雪渓を横切ると、その雪渓に沿っての登りになる。右側は雪渓だが、雪が溶けた左側には花畑が広がっていた。
エゾコザクラ、エゾノツガザクラ、アオノツガザクラ、ジムカデ、チングルマ、キバナシャクナゲなどが重なるように咲いているのは本当に綺麗だった。1、2種類の花がたくさん咲いてるのは今までにも見たことはあるが、これだけの種類の花が群生して咲いているのは初めて見た。

雪渓沿いの花畑(クリックで拡大)
エゾコザクラのピンクがよく目立つ。エゾノツガザクラと似た色だが、花が少し大きいので花畑の女王様のようである。

エゾコザクラ
平山でも綺麗だったエゾノツガザクラがここにもたくさん咲いている。多くの花の中でもやはり目を引く。基本的にはピンクだが、濃い色から薄い色まで様々である。
同じツガザクラで黄色っぽいのはアオノツガザクラである。ピンク色に比べると目立たないが、よく見ると負けずに魅力的である。

エゾノツガザクラ

アオノツガザクラ
濡れてしおれた花ばかり見てきたチングルマも元気に咲いている。晴れていれば、こんなに綺麗だったのだ。(笑)

チングルマ
途中に他では咲いてない小さな花が咲いていた。エゾヒメクワガタである。花の上に付いているゴミに見えるのはしべに付いた花粉である。

エゾヒメクワガタ
山頂の近くにはミネズオウ、イワウメが咲いている。 ミネズオウも小さな花なのだが、良く見ると1つ1つが綺麗な花である。

ミネズオウ
山頂近辺になるとウスバキチョウやダイセツタカネヒカゲも飛び始める。ウスバキチョウはやはり色が薄い固体ばかりのようだ。
山頂に到着。緑岳に比べると天気予報が良かったせいもあって人が結構多い。多いといっても、広い山頂の10人弱。

山頂からの風景(クリックで拡大)
しばらく休憩し、景色も楽しんでから小泉岳に向かう。赤岳から小泉岳の稜線にはミヤマキンバイ、タカネキスミレ、イワウメ、ホソバウルップソウなど、登ってくる中途とは違う花が多く咲いている。前日と重複するので写 真は省略させていただく。チョウノスケソウは小泉岳を越えないと咲いていないようだ。

下山の途中で高い樹の上でさえずる鳥を撮影した。距離があったので鮮明ではないが、のどの部分が赤いのはよく分かる。後で調べるとノゴマという鳥で、北海道では7月によく見られる夏鳥らしい。

ノゴマ
コマクサ平では登りでは飛んでいなかったウスバキチョウがたくさん飛んでいる。数はここが一番多いが、登山道以外はロープが張ってあるので、近くに止まってくれないと撮影できない。なんとか1頭がコマクサの近くに止まったところを撮影できた。コマクサは綺麗に写 っていないが、ウスバキチョウは今回撮影した中では一番黄色が濃い固体なので嬉しい。

ウスバキチョウ
期待していた高山蝶には他にアサヒヒョウモンとカラフトルリシジミがいる。カラフトルリシジミは時期的に少し早いということで難しいと考えていたが、アサヒヒョウモンは撮影はともかく、見るくらいはできると思っていた。しかし、ここまではそれらしい蝶が飛んでいる姿は一度も目にしていない。可能性が高そうならコマクサ平で粘ってもいいのだが、無理と判断して下山することにした。
銀泉台から国道へ戻る道の出口に近いあたりに何種類かの蝶が飛んでいたので、車を止めて撮影した。
写真はその中の1つでサカハチチョウ。2頭が絡み合うように吸蜜していた。

サカハチチョウ
チミケップへ行った後に時間があれば行く予定だった滝上町が宿の上川町から1時間弱で行けそうな場所だったので、前夜にインターネットでカラフトセセリを検索してもらった。すると、札久留という場所のイネ科の植物のある草原に多く発生していることが分かった。ここまで情報があれば可能性が高いと行ってみることにする。 カラフトセセリは数年前に北海道に生息していることが確認されたセセリチョウである。

牧草ロールが点在しているので車を止めて撮影した。北海道らしいとされているお馴染みの風景だ。しかし、最近はなかなか見ることができない。今回もシートで覆われたのは他でも見たが、むき出しの牧草ロールはこのときだけだった。

山頂からの風景(クリックで拡大)
適当に入った草地でカラフトセセリは簡単に見つかった。小さい蝶なので、数が少なければ撮影に苦労したかもしれないが、たくさんいるので、羽を開いているところ、閉じているところ、それに下側からの写 真まで撮影した。

カラフトセセリ
この2日の好天で大雪も十分に満喫した。心残りはやはりアサヒヒョウモン。翌日は黒岳に登り、クロユリを撮影して、アサヒヒョウモンも探してみようと思う。
もう少し晴れてくれ!!


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