2003年 in 北海道 No.6
2003年7月3日 
緑岳
晴|曇
車の移動  上川町 → 高原温泉 → 上川町    
歩程   高原温泉 → 緑岳 → 小泉岳手前 → 緑岳 → 高原温泉

朝の天気は微妙だが、良くなるという予報を信じて、いよいよ本命の表大雪に登ることにする。
それでも、高山蝶の期待が大きい赤岳,黒岳は後回しに、まずは緑岳に挑戦。 登山口は高原温泉。国道からはほとんどがダートなので慎重に運転して、宿から1時間ほどで到着。


高原温泉(クリックで拡大)
登山道は最初から急な登りだ。エゾイチゲ、ミツバオウレン、ゴゼンタチバナなどが咲いている。相変わらず雫で濡れているが、これは朝露なので仕方ない。(笑)
急な登りの樹林帯を抜けると雪渓の上を歩くことになる。雪の下は花畑で、ここの花は雪がなくなる8月に楽しめるのであろう。雪渓は傾斜はほとんどなく、平山に比べるとはるかに歩きやすかった。 雪渓に出た頃から青空が広がり始め、途中からは山頂も見えてくるようになった。「やった!」と叫びたい気分である。

雪渓(クリックで拡大)
雪渓の終わるところではショウジョウバカマが咲いていた。大雪で何度か見たショウジョウバカマは全て青や紫の花だった。
雪渓を抜けると、背の高い樹木がなくなり、久しぶりに日射しの中で花を見ることができるようになった。 トカチフウロやコケモモなど、念願の水に濡れずに元気に咲く花だ。(笑)
右側で何かガサガサ音がした。鳥かなと思ったが、シマリスだった。かなり近いところで写 真に撮ってくれという感じで樹の枝の上で静止している。喜んで数回シャッターを切り、デジカメを交換して動画を撮ろうとしたところで茂みの中へ入ってしまった。動画は撮れなかったが、動物の姿が見られると花以上に得した気分である。

シマリス
登ってきた方向を見ると雪渓の模様の山並が続いている。十勝岳方面 だと思うが、あまり自信はない。(笑)

十勝岳方面?(クリックで拡大)
岩の隙間にコマクサが咲いていた。背景に山を入れて撮影してみたが、雲がかかっているのが残念。でも、メアカンキンバイの黄色が彩 りを添えて良い感じに撮れました。

コマクサ(クリックで拡大)
このあたりからハイマツが多くなってくる。ちょうど実がピンク色になって鮮やかである。 最後の急な岩場の登りである。どこを歩いていいか分かりにくいが、黄色いペンキで矢印が書かれている。でも、どう歩いてもよさそうだ。
このあたりからコヒオドシ、そして念願の高山蝶のダイセツタカネヒカゲも飛びはじめる。追いかけて登った道を戻ったりしているので、なかなか先に進まないので困ったものだ。(笑)蝶の撮影のときは1人の方が自由に撮影に時間を使える。

結局、蝶の写真は撮れないまま山頂に到着。 山頂付近のイワウメを後ろの風景と撮影したが、こちら方向はガスがかかっている。後で聞いたところでは赤岳の方はずっとガスがかかっていたそうだ。結果 的に緑岳に登ったのが正解だったようである。

山頂付近のイワウメ(クリックで拡大)
他にはエゾミヤマツメクサが咲いている。エゾミヤマツメクサは高山に咲くイワツメクサなどに比べると大きい花である。

エゾミヤマツメクサ
山頂から稜線を歩くと、紫が鮮やかなエゾオヤマノエンドウが群生している。小さな花だが、一面 が紫で綺麗である。

エゾオヤマノエンドウ
動きが早くてなかなか撮影できなかったダイセツタカネヒカゲだが、稜線にはかなりの数が飛んでいた。多くの蝶が飛んでいると、かならず動きの鈍いのがいるものである。
数回はカメラを近づけても全く逃げないこともあり、ゆっくりと撮影できた。しかし、体を傾けて必ず同じ体制で止まるので、地味な蝶ということもあり、あまり面 白い写真にはならない。

ダイセツタカネヒカゲ
少し歩いていると、ダイセツタカネヒカゲとは飛び方の違う蝶が目の前を飛んでいった。すぐにウスバキチョウだと分かった。
結局、この日はこの1回だけだったのだが、運良く写真は撮影できた。図鑑などで見るものよりかなり色が褪せているのが残念だが、一番の目的にしていた蝶が撮影できて満足である。

ウスバキチョウ
稜線には登る途中には見られない花が多く咲いている。エゾハクサンイチゲは黒岳へ登る途中でも見れたが、ホソバウルップソウは稜線にしか咲いていなかった。僕としては写 真のような咲き始めの花が好きなのだが、どうでしょうか。

エゾハクサンイチゲ

ホソバウルップソウ
タカネスミレは今まで見たキスミレの中でも一番鮮やかな黄色でした。ここにも結構咲いていましたが、お鉢平を一周する途中では一面 黄色になるほどの群落が見られたそうです。

タカネスミレ
キバナシオガマも見たかった花です。まだ少し時期が早いのか、咲いている花は少なく、少し背が低い感じですが、独特の形と黄色のグラデーションが目を引きます。

キバナシオガマ
タカネオミナエシはまだ咲き始めたばかりですが、小さな花が満開になるともっと鮮やかになるでしょう。

タカネオミナエシ
こちらもお目当ての花の1つ、チョウノスケソウです。これらの花が2時間程度の登りで見れるのだから嬉しいですね。チョウノスケは発見者の名前らしいが、花の名前に人名が付くのは珍しい気がします。

チョウノスケソウ
ミヤマキンバイの黄色も鮮やかです。中央の濃い黄色と周囲の黄色の魅力的な花です。

ミヤマキンバイ
余裕があれば小泉岳から白雲まで行こうかとも思っていたのですが、進行方向はずっとガスがかかっているようなので、小泉岳の少し手前で引き返すことにした。
コヒオドシがイワウメで吸蜜しているところが撮影できた。イワウメは小さい花なので、吸蜜しているか分かりにくい写 真なのが残念だが、綺麗な羽を広げているところが撮影できた。コヒオドシも本州では簡単には見ることはできない。このように大雪の山頂にもいるが、標高のかなり低いところでも見られ、活動範囲の広い蝶である。

コヒオドシ
下山途中に朝は下向きに垂れ下がっていたのが元気に咲いていたエゾイチゲを撮影した。やはり濡れていてよい花の方が圧倒的に数が少ない。

エゾイチゲ
この日はほとんど人と会わなかった。まともに挨拶したのは2人だけだ。平日で天気予報が微妙だったこともあるのだろうが、花の良い時期なので、もう少し人が多いと思っていた。
下山すると駐車場にはそこそこ車が止まっている。ここは沼めぐりのコースの入口にもなっているので、おそらくそちらへ行っているのだろう。
歩いた後は温泉ということで、迷わず高原温泉へ向かう。700円と北海道では少し高いが、硫黄の臭いのする良いお湯だった。山と同様に人も少なかったので、ゆっくりと入ることができた。
天気もまずまずで、花も蝶もたくさん撮影でき、やはり来て良かったと思う一日でした。
まだまだ、晴れてくれ!!!


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