2003年 山歩きダイジェストNo.3
2003年7月中旬 火打山

曇|晴
1日目 笹ガ峰 → 富士見平 → 黒沢池ヒュッテ
2日目  黒沢池ヒュッテ → 高谷池ヒュッテ → 火打山 → 富士見平 → 笹ガ峰

所属している山の会の夏の山小屋を利用しての宿泊山行で、参加者は5名。
火打山は新潟県の山で妙高高原に位置する。今回は車で登山口の笹ガ峰へ向かうが、近づくにつれ雨が降ってくる。天気予報も微妙なところで、晴れは期待できないかもしれない。
登山口には立派な門があり、中学生くらいの集団が続々と出てくる。時間は10時を過ぎているので、山小屋へ泊まったのなら降りてきてもおかしくない時間だが、手頃なハイキングコースもあるようなので、どちらかは分からない。


登山口
北海道から戻ったばかりなので、下の方から花を期待してしまうが、しばらくは花は全く見れない。ギンリョウソウが実を付けているくらいだ。
かなり歩いてから少しづつ花が見られるようになり、雨もほとんど止んでくれた。
写真はコミヤマカタバミで、珍しい花ではないが、初めての撮影。(笑)

コミヤマカタバミ

難所の急坂が十二曲りと呼ばれる。急登の連続で大変だが、休みながら登っていく。
休憩しながら降りてきた人の話を聞くとまだだいぶ先は長そう。(^^;
それでも頑張っていくと道もなだらかになってきて、富士見平に到着した。このあたりから花も見れるようになってきた。
イワカガミやツマトリソウなどが咲いている。


イワカガミ

ツマトリソウ
スミレも多く咲いていたが、スミレの種類はなかなか見分けるのが難しい。帰ってから調べてみると高山に咲くミヤマツボスミレのようだ。

ミヤマツボスミレ
富士見平からは平坦な道を1時間程度で黒沢池ヒュッテに着く。しばらくすると開けた湿原が現れ、この頃から太陽も出てきた。湿原には花畑が広がっていて、辛い登りも忘れて気分はルンルン!(笑)
ヨツバシオガマ、ハクサンフウロ、ハクサンチドリなどが咲いている。

ヨツバシオガマ
水が多いところではイワイチョウが咲いている。 最初はミツガシワかなと思ったが、よく見ると違う花で、こちらも初対面 でした。

イワイチョウ
ところどころに鮮やかなオレンジのクルマユリが咲いていて、湿地にはモウセンゴケも見られる。

クルマユリ

モウセンゴケ
途中からワタスゲの群落も見られた。ワタスゲは今までも各所で見ていたが、ちょうど見頃で規模も大きくて見事な風景だった。

ワタスゲ(クリックで拡大)
ヒュッテの近くになると湿原は終わり、ツリバナ、サンカヨウ、ミツバオウレンなどが咲いていた。サンカヨウは北海道ではほとんど終わりかけの花だったので花がたくさん付いているのは初めて見れた。

サンカヨウ

ミツバオウレン
黒沢池ヒュッテはドームの形をしている。もう1つの高谷池ヒュッテは完全予約制だが、満員だったので、こちらの山小屋になった。山小屋の場合は混雑すると非常に狭いスペースで寝なければならなくなるので心配だったが、1人1枚の布団が確保できて一安心。(笑)しかもドーム型で全員が中央に足を向ける形で放射状に寝るので、頭の後ろに人がいないのが嬉しい。
夕食後にワインで乾杯してから寝るが、寝不足で疲れているがなかなか寝つけない。 星が綺麗だという声がしたので、トイレのついでに星空を見に行く。天の川まで見える満天の星空を堪能できた。明日の天気も期待できそうだ。

黒沢池ヒュッテ
さて、2日目はヒュッテの朝食のクレープからスタート。ここの名物らしい。ツナやジャムなどを巻いて食べる。物足りない気がしていたが、お代り自由なので結構お腹いっぱいになる。

出発して少し登ると遠くの山が見える。尖っているのが槍ヶ岳ではないかという話だが、山の同定は自信がない。(笑)

北アルプスの槍ヶ岳方面?(クリックで拡大)
しばらく歩くと今度は別方向が開けて見える。 雲もあって分かりにくいが、方向的には岩菅山など志賀の方ではないかと思われる。

志賀方面?(クリックで拡大)
小さなピークを越えると残雪も多い北アルプスが正面に見えてきた。これは間違いないでしょう。(笑)
火打から近いところなので白馬あたりでしょうか。
山頂からはもっと良く見えるのではと期待が高まる。

北アルプス(クリックで拡大)
1時間くらいで高谷池ヒュッテに到着。 ここからは火打山の山頂まで往復なので、荷物を置かせてもらう。ヒュッテの前も湿原で池塘が点在している。池塘の向こうに見える火打岳を撮影した。

池塘の向こうに見える火打山(クリックで拡大)
写真の花はキヌガサソウで標高の高い湿地の近くで良く見られる大きな花だ。 黒沢池ヒュッテの近くにも咲いていたのだが、このあたりに咲いていたのが一番綺麗だった。

キヌガサソウ

高谷池では水面に火打山が写り、逆さ火打山となっていた。雪渓が池に写 るとよい感じである。


逆さ火打山(クリックで拡大)
このあたりからハクサンコザクラが見られるようになり、各所で群生している。ハクサンコザクラの向こうに火打山を撮影したかったが、良いポイントが見つからなかった。
アオノツガザクラも少しだが咲いていた。

ハクサンコザクラ

アオノツガザクラ

両側に雪渓が残るところを歩くが、雪渓の上を歩くことはほとんどなく、木道の上を歩いて行く。


雪渓と火打山(クリックで拡大)
木道が終わると、山頂までは急な坂となる。しかし、昨日の道とは違って両側が花畑なのでそれほど苦には感じない。(笑)
初撮影のエゾシオガマをはじめ、ミヤマキンバイ、ウサギギク、ミヤマキンポウゲ、マルバダケブキなど多くの花が咲いていた。

エゾシオガマ

ミヤマキンバイ

ウサギギク
山頂が近くなってくると上の方だけ雲がかかっているのが見える。花をゆっくり撮影したいのだが、雲がおおくなる前にと頑張って山頂を目指す。しかし、上に到着したときには角度にして300度くらいは雲しか見えず、日本海側が少し見えただけだった。景色を求めた山歩きはしていないが、1時間前だったら360度の見事な展望が広がっていたかと思うと、やはり残念である。(涙)
それでも、予報では晴れ間も期待できそうもなかったので、満足するべきなのだろう。

日本海方面(クリックで拡大)
下山の途中にもう1つのプレゼントが待っていた。登ってくる人がライチョウがいると教えてくれた。見ると雌が最初で、雄が後に続いていた。雌はうまく撮影できなかったが、赤い色の綺麗な雄はしっかり撮影できた。

ライチョウ(雄)
高谷池ヒュッテに戻って昼食を食べる。今回はガスは持っていったのだが、ヤカンが無かったので、小さなコッヘルで苦労してお湯を湧かしてカップメンを食べる。火打岳には水場は何ケ所かあるのだが、煮沸しないと飲めないので、ヤカンがないのが痛い。 水が残り少ないので売っていたウーロン茶を買った。

下っていくと雲がどんどん多くなり、結局は2日とも上にいる間だけ晴れという幸運な形だった。
登りも大変だが、急坂だと下りも厳しい。最後はかなり足が重かったが何とか無事に下山。

登山口近辺でやっと蝶の写真を撮影した。ギンボシヒョウモンとヒメシジミだ。

ギンボシヒョウモン

ヒメシジミ(雌)

帰りは小さな温泉に寄った。露天風呂はなかったが、ゆっくり入って疲れを取ることができた。

山の上では気温が上がらなかったせいか、蝶の姿がほとんどなかったのが残念だが、期待通 りに多くの花に会えた良い山行でした。

火打岳 終了



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