2003年　山歩きダイジェストNo.7
2003年5月初旬　赤城山
晴
登山口 → 山頂１→ 山頂２ → 登山口

赤城山は関東で唯一ヒメギフチョウが生息しています。前年に初めて行き、なんとか見ることはできたのだが、満足な写 真を撮ることはできなかった。 再度の挑戦だが、今回は「赤城姫を愛する集まり」の方々に案内をしてもらえることになった。 ヒメギフチョウは、地域の方々の環境整備などの地道な努力の成果で、ほそぼそと生き延 びているそうです。 なお、赤城山は多くの山で構成され、生息しているのはほんの一部なのだが、採集禁止にも関わらず、採集を行う人も多いようなので、詳細は記載しないようにします。興味のある方は「赤城姫を愛する集まり」の方を紹介しますのでメール下さい。 今回の撮影は一度下山してから撮影したものもあるのだが、歩いた順に紹介させてもらいます。 この日は地元の高校生が環境整備の手伝いで同行している。 おかげで先生によるスミレと蝶の関係など、興味深い野外授業を聞きながら登ることができた。 登山口付近でコツバメが止まっていたのだが、撮影しようと一歩踏み出したら逃げられてしまった。普段なら近寄る前に何枚か撮影するのだが、同行者が多いので急いで撮影しようとしてしまったようだ。（笑） 登山道には春の花が各種咲いている。スミレではヒナスミレ、エイザンスミレが多い。

ヒナスミレ

エイザンスミレ

ヒトリシズカは１人で静かというよりは集団で賑やかに咲いていることが多い。 シロバナエンレイソウもいくつか咲いていた。

ヒトリシズカ

シロバナエンレイソウ

小さい花ではヒゲネワチガイソウが咲いていた。

ヒゲネワチガイソウ

明るい場所にはハルトラノオも群生している。

ハルトラノオ

ヒメギフチョウの食草がウスバサイシンなのだが、山の下の方にも産卵場所を広げようと少しづつ植えているそうだ。地面 近くにちょうど花が咲いていた。

ウスバサイシン

ヤブレガサはちょうど傘の形に近い状態だった。もう少し閉じた状態の方が味わいがあるように思われる。

ヤブレガサ

山頂が近くなると少しづつヒメギフチョウが飛び始める。 前年は山頂近くのスミレに来るところを狙っていたのだが、カタクリが咲いている場所を教わり、１人で先に行かせてもらった。 しかし、 結局は場所が分からずに、皆を待つことになった。（笑） カタクリの場所へ向かう途中で羽を広げて休む固体を撮影できた。羽の半分の模様が写 っていないのが残念だが、かなり近くで撮影できた。

ヒメギフチョウ

カタクリはちょうど見頃で、綺麗に咲いていた。ぜひ吸蜜するところを撮影したいと期待が高まる。

カタクリ

しばらく花のところで待ってみたが、止まる気配がない。 一度、皆のところへ戻ると、まだ移動しないようだが、僕の事は気にせずに移動して下さいと伝えて再度カタクリのところへ戻った。 今度は正面で羽を広げて吸蜜する絶好のシャッターチャンスがあったのだが、ほんの少しの差でシャッターを切る前に飛び立ってしまった。 次のチャンスで撮影したのが下の写真である。樹の影で正面から撮影することはできなかったのだが、股の間から斜めに何とか撮影できた。これはこれで羽に光が当って良い写 真になったと思う。

ヒメギフチョウ

とりあえず、納得して山頂へ戻ると、授業をしながら待っていてくれたようで、一緒に別 のピークへ移動する。 こちらにはカタクリはないが、スミレに来るところを撮影できるという。しかし、このときはあまり飛んでこないので、撮影は諦めてゆっくりと昼食を食べることにした。 「赤城姫を愛する集まり」の方々はもう１つのピークへ行ってから斜面 の下草刈りを行うということで、そこでお礼を言って下山することにした。 下山したのは登ったところからは少し離れた地点で、小さな池がある。ネコノメソウがちょうど良い色になっていた。

ネコノメソウ

池のほとりに少しピークは過ぎていたが、綺麗なアカヤシオが咲いていた。後で聞くとこれは自然のものではなく、植栽ということだった。

アカヤシオ（植栽）

車を止めた登山口へ戻りながら朝に撮り逃がしたコツバメを探したが、残念ながら現れなかった。 足下に大型のハムシのイタドリハムシが多く見られる。大型といっても１センチくらいだが、僕のカメラだとこれより小さいハムシはなかなか綺麗に撮影できない。

イタドリハムシ

欲を言えば図鑑に載っているようなカタクリに羽を広げて吸蜜するヒメギフチョウを正面 から撮影したかったが、まずまず満足できる写真が撮れた。絶好の天気で、気持ちよい山歩きが楽しめました。 「赤城姫を愛する集まり」の方々には本当にお世話になり感謝しています。年間を通 じて環境整備やパトロールをするのは大変なことだと思います。案内していただいたことよりも、活動自体に感謝して、また見に行かせてもらいたいと思います。 （赤城山　終了）